2010年10月17日日曜日

口ほどに物を言う

「目は口ほどに物を言う」


誰もが一度は耳にすることわざにひとつです。目つきは、口で話すのと同じ程度に気持ちを相手に伝えるという意味で使われる場合が多く、似たような言葉には、目は心の鏡とか目は心の窓といったものがあります。

これは人の表情の中で、もっともその人の心情を表わすものが目ですよと言っているもので、実際その通りだと思います。情報の多くは見ることで成立していて、そこから得られた情報を脳が判断して、行動に起こすわけですから、目自体が脳の一部だと言っても良いように感じますし、その反応が目つきや目の動きとして表れるのは至極当然のことです。

毎朝誰しも自分の顔を鏡で見ると思いますが、無意識の中に、自分の今ある状況をどう感じているかを目が物語っているように思える場合があります。自分自身ですらそうですから、他人の目に対しては、一層敏感になってしまいます。それほどに、目の役割は重要なものなのです。

さて、アメリカの写真家ウィリアム・クラクストンは、自身のドキュメンタリー映画「Jazz seen」の中で、まばたきをするだけで写真が撮れたらどれほどいいかと話しています。ホント僕もそう思います。美しいとか驚いたとかその他色々な感情の揺れを覚えながら毎日を過ごしているのですが、その一部一部を記憶としてだけではなく、記録として残せたならとの思いからカメラは生まれたように思います。

もちろんカメラのレンズは表情を変えたりはしません。そこから、感情を感じることはありません。人の目により近く、目の前にあるものを忠実に写し撮る道具としてあります。それでもそこから生み出される写真には、時として驚愕であったり、得も言えぬ感動が備わっている場合があります。

これも、口ほどに物を言うってことじゃないのと思ったりします。

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