2011年7月12日火曜日

梅雨明けの日

震災から4カ月目の昨日、東北地方に梅雨明けが発表されました。今年は空梅雨の様子で、暑さばかりを感じる毎日です。テレビでは熱中症への注意や節電の呼びかけが頻繁にされているようですが、いずれも健康や生活といった生きることの根幹に関わることですから、誰もが注意せざるを得ません。


でも、今まだその余裕すらない人々が多くいることを忘れてはいけないと思っています。人は区切りの日を昔から大事に、大切にしています。東北各地で震災の時間に行われる黙とうは、慰霊祭といった大きなものではなくても、個人の心の中にあるそれを想う気持ちから行われているものです。誰の為でも誰かに訴えるわけではなく、自分自身にそして一番身近であった人やそこで生きていたことに対して行われる厳粛な行為です。

過去は否応なく記憶の底へと追いやられ、忘れ去ることを強いられます。今というこの瞬間を生きることの方が重要だからです。また、忌わしい記憶は本能的に薄れていくもので、そうでなければ一生を絶望の中で過ごさなければなりません。

それでも、その過去を忘れ去られるものとしない為に、慰霊や鎮魂の形として区切りの時にそれぞれが行います。悲しみは繰り返し、思い起こされることになるのだけど・・・。

そこにあるのは、普段は当たり前と感じ、言葉や態度としても表わさなかった、かけがえのないものへの尊敬の念や同時に失ったことへの悔恨の気持ちを改めて感じる為のように思えます。

好きなものを好きだと言おう、有り難いと感じたら、ありがとうと言葉にしよう。
今したい、してあげたいと思うなら、今するしかないのです。

言葉や行動に出すのが苦手な人もいるでしょうが、今を後悔しない為にも。

すでに起きてしまったことを、何もなかったことには決して出来ないのだから。

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