2010年1月25日月曜日

小さなイベント

昨日の小さなイベントは、とても前向きなご意見も聞けて、僕にとっても有意義な時間でした。ほとんどが初対面にも関わらず、気軽に打ち解けあってしまう様子は、見ているだけでも楽しいものです。


皆さんの話を伺っていると、やはり写真撮影やプリントといったものに対して色々と疑問を持ちながら制作している事が良く分かります。僕は写真作品の直接の製法技術的なものにほとんど素人ですので、なかなかそのような質問には答えることが苦手なのですが、それぞれ専門に行っている方もお見えになっていますので、情報収集の場としても有効であるように感じました。

また、同じような疑問や壁のようなものは、その方のキャリアの差にもよりますが、同じようにぶつかった経験があるものです。その壁はたとえ小さいものでも、一人で乗り越えるにはそれなりの時間と労力を要し、時にはうっちゃってしまう場合も多いのではないかと思います。

そんな部分をより多くの方と交流を持つことで、もし、解決の糸口を見つけられたなら、それはとても素晴らしいことですね。人それぞれ求めるポイントは違っても、共通に語り合える部分はあるわけで、それを自身の経験知のみでしか判断や行動を起こせない事はとても悲しいことです。

よく私はアートなんて難しいものは分からないからと、始めから自分で壁を作ってしまう方もいらっしゃいますが、僕自身、全てを理解して展示や紹介をしているかと言えば、そうではありません。もちろん、表現される作品の背景や作者の考えといった補助的な知識は出来るだけ受け入れ、理解しながら、一つ一つの作品と対峙するのですが、それでも果たしてこれが正解であるかどうかについては、常に疑問を持っています。

自らをもしくは目の前にあることに疑いを持つことは、ある意味、自分を信じることのパラドックスのような気がします。日々そんな矛盾のような感覚の中で、だれもが生きて暮らしているのだと思います。だからこそ、表現せずにはいられないのかもしれませんね。

昨夜ソファに寝転がり、polkaを撫でながら、この小さなイベントが何かの発火点のようなものにならないかな、などと一人夢想していました。撫でられながらも、そんな様子をじっと見ていたpolkaは、思い出したように大きな欠伸をすると、ソファーの背から飛び降り、今日の寝床へと向かっていきました。これも、現実ではあります。

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