2010年1月13日水曜日

正月三が日の三谷幸喜デー

正月の三が日、テレビをつければどの局も似たような特番ばかりで、すっかり食傷気味になってしまったので、3夜連続でギャラリーにスクリーンをしたてて、三谷幸喜さんの芝居をDVDで見ました。以前も三谷幸喜さんの芝居について書いた記憶がありますが、もう何度となく見たにもかかわらず、その度に飽かずに最後まで見せてくれます。


今回見たものは、「笑の大学」、「12人の優しい日本人」、「コンフィダント・絆」の3本でした。いずれも、発売後即日完売のプラチナ・チケットだったので、生で見ることはかないませんでしたが、幸いTV放映されたので録画しておいたものです。「笑の大学」、「12人の優しい日本人」については、映画にもなりましたので、映画を見られた方はいらっしゃるのではないのでしょうか。

僕が一番好きなのは、やはり「笑の大学」ですね。舞台には2人しか出てきません。しかも、場面は1つのみです。劇団座付作家役の近藤芳正さんとその台本を検閲する役の西村雅彦さんとのやり取りが、1日単位で繰り広げられ、ちょうど1週間目で幕がおります。

たぶんにあて書きであったりしますが、これほど完成度の高い作品はあまり無いと思っています。1週間というあまりに短い期間に、いわば敵対するような考えの2人が次第に自分の殻を解きはなっていき(主に変わっていくのは検閲官ですが)、「笑い」を介して通じ合っていく姿に都度感動を覚えてしまいます。

この芝居には、単なるコメディーであること以外に、さまざまなテーマが隠されているように思います。なので、何度見ても、前とは違った部分で気付かされることがあるのです。僕の理解力が弱いのかもしれませんが、三谷さんのストーリーテラーとしての実力と演ずる2人の演技力には本当に感心させられます。

井上ひさしさんは、笑いは人が生み出すもので、本能としてあるものではないといった意味の事を話していたと思いますが、まさにこの芝居でもそんな部分を充分に感じさせてくれます。生きる上で必要不可欠ではない「笑い」が、その実とても大切なことであり、それを創造することには大きな意味があるわけです。

アートも然りですね。

もし、これを読んで、見てみたいと思った方は、いつでもご一報を。

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