2010年9月30日木曜日

宮城県美術館へ行ってきました。

やっと観に行けました。


宮城県美術館で行っている「新しい美術の系譜」展です。実を言うと、この美術館が出来たのは1981年ですから、僕はもうすでに仙台を離れていて、たまに帰ってきても行く機会は有りませんでした。そう初めての訪問だったわけです。

今回の目的は写真作品です。そのほとんどはかつて観たことのあるものでしたが、それでもオリジナルはなかなか見られませんので、再会するのが楽しみでした。中でも素直にいいなと感じたのはオノデラユキさんの初期の作品「古着のポートレート」からの一枚でした。約1mm四方程度の大きさのものでした。本当はシャツが写っているものの方が好きなのですが、ざっくりとしたセーターもまたその存在感が際立っていて、しばらく立ち止まってしまった程です。

その他はほぼ予想通りで、まぁ、サクッと見て、また会ったねと言った感じです。その後、企画展会場から常設を観て、併設する佐藤忠良記念館に入りました。1990年に開設されたらしく、とてもきれいで瀟洒で素敵な感じです。入口から回廊するような形で作られ、大きく分けると4部屋構成になっています。僕はまず頭だけのブロンズ作品に惹かれました。モデルとおぼしき名前がタイトルとなったそれらは非常に生き生きとして、思わず声をかけたくなるほどです。全体を飾る作品のほとんどが女性をモチーフとしたものなのですが、どれもが柔らかなフォルムとたおやかな明るさというか単純に生きることの喜びが感じられるものです。

また、感心したのは、その配置ですね。ガラス張りで外が見える部屋では、外にも同様に作品が設置されているのですが、見るポイントにより絶妙のバランスを取っています。そして、その部屋から3部屋への入口から見える光景は、一枚の絵を見ている気分にさせられます。3部屋目の照明をやや落としているのはその効果を狙っているとさえ思わせます。

3部屋目からは真っ直ぐに繋がっているのですが、最後の部屋への入口は周囲が木製になっていて、その奥に帽子シリーズの女性像が白壁をバックに設置されています。それが遠目からみると一枚の額装作品を思わせ、ホント美しいのです。

これは、とても嬉しい発見でした。誰もが素直な気持ちで作品に触れることが出来ます。
仙台にいる方は、絶対見に行って欲しいですね。晴れた日がお勧めです。

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