2011年1月5日水曜日

残り2週間のメランコリック

昨日から年明け再スタートした江口敬写真展”Beyond”ですが、終幕まで休み無しで行う予定になっています。(16日土曜まで)とは言っても、残り約2週間ですから、それほど長いとの感覚はありません。むしろ、あと2週間でこの展示も見られなくなるほうに少しだけ寂しさを覚えます。


展示はライブであって、永久保存でない限り、いつの日かは消えてしまうものです。見て下さった方々の記憶の片隅に残るだけです。写真という記録を役割づけられたものが、自らの展示を記録づけられないことに矛盾を感じながら、その場でしか味わえない空間構成や空気感、雰囲気といったものまでを伝える為にその場を作っているのです。

この世にある全てのものはいずれその形を失うもので、いちいちその内容に感傷的になっていても仕方ないことです。それでも、作家にとっての作品は自分自身の分身であったり子供のようなものです。そして、それらが文字通りお披露目され、人数の多い少ないに関わらず、見られ、評価されることはすごく稀なことだと言えます。(特にアマチュアの方は一生に一度なんてこともあり得ますし)

だからといって、展示、発表することは、いささかオオゴトのように感じますが、一大事ではありません。なぜなら、結局のところ、今ある自分を表現しうるものでしかないからです。それ以下になることはあっても、それ以上にはならないわけです。

ギャラリーで主催し参加を募っている企画で、唯一制限されていることは、出展するものが写真作品であることです。その他は参加者の自由に委ねられています。

これは、僕自身が仕事を放棄しているわけではなく、作品の制作やそれに対する思い、実際の展示手段、スタイルといったものは参加者それぞれ考え方が違うもので、それ自体を尊重する必要があると理解しているからです。なので、僕はそれらが最大限の力を出せるように、見守るだけしか出来ないように思えます。

そして、そんな形で展示・発表されたものは、自然と僕自身にも影響を与え、終演を迎えるにつれ寂しさに繋がっていくのです。

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