2010年3月30日火曜日

福島へ行ってきました。

先日紹介した小池友美写真展『穏やかな光』を見に、昨日、急遽福島へ行ってきました。仙台からは高速バスで約1時間15分、ひと眠りしているともう着いてしまうような感じで、旅行気分まではありませんが、日頃近場しか出歩けない僕にとっては少し気分転換をしたくなったのだと思います。


福島駅前でバスを降りたとたんに、雲行きが怪しくなり、見る見るうちに当たりが暗くなり始めたかと思うと、季節外れの大雪が降り始めました。とりあえず、駅ビルに飛び込み、外を眺めながら、参ったなと思いながら、さてどうやって会場に行こうかを考えていました。徒歩では20分、バスも出ているようですが一体どれに乗ったらよいのかが分からずにしばらくぼやっと舞い降る雪を見ていました。それから、何の当てもなく30分程駅ビルの中をウロウロと散策し、しかたないから傘でも買おうかと思っていた矢先に、窓ガラスから光が入り込んでいる様子が目に留まりました。窓ガラスに近寄り、外を見ると、明るい光が雲の切れ間から現われ出し、雪も小振りになっていました。

にわか雪です。夏のにわか雨は何度となく経験していましたが、これほどまでのにわか雪は初めてです。ほんの30分でしたからね。まぁ、これで歩いていけるなと駅ビルを飛び出して行ったのです。

国道13号線を仙台方面に向かってひたすら真っすぐ歩いていると、間もなく郵便局が見えてきます。その先の信号を左に曲がると、会場の福島市写真美術館が見えてくるはずです。大正に建てられた瀟洒な作りをしているとHPには掲載されていましたが、周囲に建物が無い分、より一層その風格を現しながらも、何かとても控えめな佇まいをしているようにも感じました。

何か、前置きが長くなってしまいましたが、入口の木製の扉を入り、すぐ右手で写真展は行われていました。会場に入り、ひととおり回ってから、思わず出た一言「いいなぁ」。何だそれはと思うでしょうが、素直にそんなことを感じられる写真展ってあまりないのです。昨今のコンセプト、テーマ性重視で、ともすればよく分からないことが良しとも思わせるようなものや、突拍子もないような表現や大きさだけが目立ったようなものとは明らかに違う、写真との向き合い方が見えました。

多くのイメージは明るいトーンと淡い色合いで統一され、ひとつひとつを見ていても楽しいのですが、展示としての全体の流れがとても素直で、何より分かりやすい構成であったように感じました。

時間の関係で、小池さんとはほとんどお話は出来なかったのですが、これからもどんどん発表を続けてほしいと願いながら、帰路のバスに乗り込んだのでした。

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