2009年10月8日木曜日

「楽屋 ~流れ去るものは やがてなつかしき~」

外は台風の影響ですごいことになっていますが、先週来から楽しみにしているテレビ放映が明日の夜にあります。

10月9日 22:30~24:45 NHK教育 芸術劇場  
劇場中継「楽屋~流れ去るものは やがてなつかしき~」という番組です。

「楽屋~流れ去るものは やがてなつかしき~」(以下「楽屋」)は、清水邦夫作、1977年初演の古典的名作と言われている芝居です。元々副題はなく、今回付いたものには、少しセンチメンタルな部分も感じられますが、それはそれで良いと思います。今回の放映は2009年5月に世田谷にあるシアタートラムで上演されたもので、演出は俳優でもある生瀬勝久さんが行っています。

清水邦夫さんといえば、1970年前半、学生運動が終焉を迎えようとしていた頃、蜷川幸雄さんらと結成した劇結社「櫻社」において、反体制的な若者を描いた作品を発表し人気を集めました。

「楽屋」は、劇結社「櫻社」を解散して、「木冬社」を旗揚げしてからの作品ですから、蜷川さんは演出をしていませんし、内容も女優をモチーフにしていますので、だいぶ趣は異なっています。
過去に何度か再演されていますが、今回の特徴は出演する女優と制作スタッフがとてつもなく豪華なことです。さすがは、シス・カンパニー公演といったところですか。

出演する女優は、渡辺えり、小泉今日子、村岡希美、蒼井優(敬称略)の4人だけです。舞台上にしつらえた楽屋の中で、個性溢れる、配役としての女優を演じます。実際、ちょうど50代から20代まで4世代の代表のような感じになっていますし、それぞれが持っている個性が活きてくると想像出来ます。
それにしても、演出をした生瀬さんは大変だったでしょうね。(このあたりも番組で聞けるとと思います)
制作スタッフを紹介すると、ものすごく長くなりますので割愛しますが、興味のある方はそれぞれの方のプロフィールを調べてみてください。その経歴に驚かれると思います。

この公演の情報は、僕がまだ東京にいた頃にすでに知っていて、生で観られないことを残念に思っていました。今、テレビとは言え、時期を置かず観ることが出来ることにワクワクしているのです。
実を言うと、僕は過去の公演でも「楽屋」は観たことがなく、戯曲で読んだだけです。なので、余計ワクワクするのです。自分の頭の中で動いていた人物が、実際の動きとして見られ、どんな演出や効果が出てくるかが楽しみです。

シアタートラムという比較的少人数収容(約200名程度だったと思います)の小さな空間で、非常に濃密な時間が流れることが予想できます。芝居自体は大きな動きがある類のものではないので、空間的にはちょうど良いのかもしれません。それにしても、上のチラシの面々をあらためて眺めていると、すごく贅沢な企画に思えて仕方ありません。

僕は、特に村岡さんに注目しています。村岡さんはナイロン100℃に所属していて、とても芝居に安定感のある方です。渡辺さんや小泉さんのように、いるだけで存在感がある女優やこれまたアイドルの枠を超えた蒼井さんとのマッチアップで、どれほど自分をアピール出来るかだと思いますが、きっと大丈夫でしょう。

必見です。

ぜひ、始まる前にトイレに行ってから、部屋を暗くして観てください。

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