2009年10月3日土曜日

文化混流

劇作家・演出家で俳優の野田秀樹さんに2日、演劇分野での日英関係の発展に対する功績が認められ英・エリザベス二世女王より名誉大英勲章OBEが授与されたとのニュースが流れていました。

野田秀樹さんは演劇界のみならずいわゆる文化人として、メディアの登場も多く、一般の方にも広く知られています。今回、シェークスピアを生んだ国から、日英演劇の功績を認められ、大英勲章を授与されたことはすごいことだと思います。近年では、2007年にバレリーナの吉田都さんが授与されて以来のことですね。

野田さんは、1970年代に東大学生演劇研究会を母体にした「夢の遊眠社」を立ち上げ、当時の小劇場ブームの立役者として活躍され、学生演劇でもメジャーになれることを身をもって体現されました。劇団10周年記念公演として、国立代々木競技場第一体育館で行われた「白夜の女騎士」「彗星の使者」「宇宙蒸発」の3部作一挙上演では、1日で26,400名の観客を動員したことは、あまりにも有名な話です。

また、今年になり東京池袋にある東京芸術劇場の芸術監督に就任し、就任記念公演としてさまざまな関連する演目を上演し、好評を博し、新たなチャレンジを行っています。東京芸術劇場も施設の割にはあまりパッとしない劇場のイメージでしたので、今後の変化に期待していますが、新国立劇場のような騒動にはならないようにしてもらいたいものです。

今回の授与について本人の言葉で、「今までとなにも変わることなく、文化交流ではなく、文化混流を標榜とし、日英両国をはじめ、さまざまな国々の演劇人と芝居を創っていく所存です」が掲載されていましたが、文化混流(たぶんそんな言葉はあまり聞きませんが)という言葉が、野田さんがこれまで行ってきたことを一言で表しているのだと思います。

表面だけではなく、それぞれの良いものも悪いものも一旦まともに受け入れ、互いに理解しようと試み、それから一つのものを一緒に作り上げていく感じがします。

昨日は、これだけで何か元気づけられました。

それにしても、「ダイバー」日本バージョンでの大竹しのぶさんの狂気を観られなかったことは、非常に残念でした。TV放映とかないのかなと思いながら、いつしか「売り言葉」のDVDに手を伸ばしていました。

0 件のコメント:

コメントを投稿