2010年12月7日火曜日

展示に隠された秘密

さてと、ギャラリーの壁に何も無くなりました。


展示前は作品テーマやコンセプトを頭に置き、あれこれ悩みながら作業しますが、僕の場合は、こんな感じで行っています。先ずは全体の流れを把握することを、作品を見て行い、それから流れに沿った展示順番を考えます。その後、それぞれの位置関係を検討し、実際の展示となります。

実際の展示は、まさに作業となりますから、実はそれまでのプロセスに時間が取られます。大抵は僕ひとりの作業ですので、その間はギャラリー内をウロウロとしたり、作品ひとつひとつを眺めているわけです。僕は超能力者ではありませんから、作品自身からここに展示してくれとかこの順番だよとかは聞こえてきません。時間はかかりますが、ここが一番大切な時間ですね。

そうして、しばらく眺めている内に、イメージは湧いてきます。これが正解なのかどうかはその時点では分かりませんが、まぁ、取りあえずはその直感や経験知を信じて、プランを組み立てるようにします。それから、そのプランに従って、展示を行うわけです。

展示で大事な部分は、巧みな空間構成の中で、いかにその作品世界を見る側が理解出来るまたはすんなりと入り込めるようにすることだと思っています。時にその方向に目が行くようにする必要もありますが、それがあからさまに意図的過ぎると、うるさく感じるものです。その辺りは、広告宣伝媒体の展示とは異なります。

展示意図の中には、様々な秘密も隠されています。若干独りよがり的な部分があることも否めませんが、展示も表現の手段ですから、それらが無いと逆につまらないものになります。見る側はそれに気付くかどうかは分かりませんし、誤解を与えてしまう場合もあるので、注意深く、さりげなく、また時にはある程度大胆に行う必要があります。

今日から、壁が徐々に埋まっていきます。

何もない白い壁が、意味ある空間に変わっていくわけです。

様々な秘密を抱きながら・・・。

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