2009年8月11日火曜日

心から感謝

楽しい時間は本当にあっという間に過ぎていきます。

昨日はそんな夜でした。

朝から降り続ける雨の中、若い二人はバイクを走らせて、ギャラリーを訪れてくれました。
合羽を着こんで、びしょ濡れになりながら、タンデムで走っている姿が幾度となく眼に浮かびます。

半年振りの再会。その間、いろいろと悩み多いことが起きていたけど、変わらない笑顔を僕に見せてくれました。

ギャラリーでのひととき。展示全体の雰囲気、作品自身の強さに何を感じてくれるだろうか。必要最小限の情報に、彼らの五感のいずれかを揺することが出来ただろうか、ほんの少しだけど、不安になります。
なにしろ、彼らが今回の写真展の初めてのお客さんだから。

そんなことを思っていると、前回の写真展に何度か足を運んでくれた若い姉妹の妹さんが、入口のカーテンから顔を覗かせました。入口が開いていたので、もう始まっているかと思い入ってきましたと少し不安そうな顔。以前の展示とはまるで表情を変えているギャラリーに驚いている様子です。

今日はあまり相手が出来ないけど、観ていって下さいと僕が中に入るように促すと、作品に魅入られるように歩みだし、思わず出てしまったような一言。

”キレイ”

僕には、大袈裟ではなく天使のつぶやきのように聞こえました。なぜならそれは、感情から自然に発せられた言葉だったから。



それから、僕らは夜の仙台へ、そして他愛のない会話。
充分すぎるほどのの優しさをもらい、いつの間にか時計は午前2:00を回っていました。

二人は今日、山形で一泊してから、奥さんの故郷の新潟へと向かいます。
束の間の夏休み、だいぶ遠回りの帰省になってしまいました。

心から感謝。

小雨降る中、彼らが走り去る姿を手を振りながら追いかけます。

そして、角を曲がり、二人の姿が見えなくなっても、しばらくそれは続いていました。

0 件のコメント:

コメントを投稿