2009年7月23日木曜日

美しい装丁


先日パッケージデザインについて載せましたが、写真集の中には装丁が非常に美しいものや変わったものが多くあります。

今日はそんな中から、一冊紹介します。

2007年にかなり話題になりましたので、ご存じの方も多いかと思います。またお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

”Ashes and Snow Tokyo 2007”と言います。写真家はグレゴリー・コルベールです。
実はこれは写真集ではなく、2007年に東京お台場で開催された”Ashes and Snow”展のため制作されたカタログです。

グレゴリー・コルベールは、今年で49歳になるカナダ人です。映像、写真と両方制作しています。おもに、人間と動物をモチーフに、神秘的な作品を撮り続け、その巨大な作品群は観る者を圧倒します。このカタログはイタリアで印刷、製本されています。カバーは天然蜜蝋を引いたネパール製の手漉き紙を使用し、ハイビスカスの葉で染めた紐で結わえるようになっていて、大変美しい作りです。

展示会開催前にすでに著名な書店には置いてあったのですが、お台場の会場で手に入れました。実際展示されている作品は日本の阿波紙と言う手漉き和紙にプリントされていて、セピアカラーと和紙の風合いが独特な雰囲気を醸し出しています。カタログはイタリアの手漉き用紙を使用していますが、その時の雰囲気は全く損なわれていません。

展示会は、2002年のベネチアで初めて開催され、2005年ニューヨーク開催からは毎年世界の都市を巡回しています。東京は2007年、4回目になります。

会場はノマディック美術館と言われ、その展示会の規模などに合わせて移築、進化を続けています。2007年東京までは、日本の建築家である坂茂が設計し、貨物用コンテナを積み上げて造られていました。翌2008年のメキシコで開催された時は、コロンビアの建築家であるシモン・ペレスが、これまででは最大規模で、しかも竹を使用し造られたそうです。

グレゴリー・コルベールはとても日本と関係が深いですね。作品は和紙にプリントされ、展示会場は日本の建築家が設計し、映像作品では自身もクジラと一緒に泳いでいたりしているのですが、それを撮影しているのが水中カメラマンの中村宏治ですから。作品から受ける印象は、日本的ではないのですが、その内にある精神世界は日本にとても近いように感じるのも興味深い所です。


PS 先日載せたセーラムピアニシモ限定バージョンは、デザインは2タイプではなく、3タイプでした。本日再度購入した際に気が付きました。

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