2011年8月30日火曜日

何が起こるか分からない・・・ふたたび。

何が起こるか分からない・・・。


またまた昨日の世界陸上の話。男子ハンマー投げで室伏選手が金メダルを取りました。世界陸上は7回目の出場、36歳での金メダル獲得です。すごいね。何がすごいかって、年齢はもちろんだけど、その戦い方でした。

とても静かで力強さを感じさせる姿勢に僕は惹きつけられ、一投、一投に見入ってしまいました。超ベテランで国際経験も豊かだからそうなんだよと思われるかもしれないけど、自分を過度に鼓舞するようなこともなく、冷静にとても自然で、今のこの状況を楽しんでいるようにさえ見えました。

何か哲学者のような感じにも見えるし、インタビューの受け答えにも謙虚で、こんなどえらいことをした印象を受けないのは、まだ自分自身アスリートとして途中だからなんでしょうね。アスリートは身体が自己表現の手段だから、年齢と共に衰え、いつかは現役引退をしなければならないのだけど、そんなことを微塵も感じさせない姿や言動には感動すら覚えます。

その道で一線級になり、世間に認められると誰だって我が強くなるものです。あるいは、そこまでの経験や知識が、自分自身の行動や考えの範囲を狭くしてしまいます。なにしろ、実際に体感として手に入れたものですから、これに敵うものはないわけです。

その為、周りと自分との関係が見えなくなってしまい、謙虚さを忘れてしまいます。謙虚さは自分に対して自信が無いこととはまるで違います。むしろ、自分自身が今ここにきちんと有った上で、さらに高みがあると信じ、自らに疑問を投げかけながら、常に周りとの関係性を大事にしているから現れるものです。

これは、表現の世界でも共通して言えることだと思います。そして、謙虚さは他人がそう感じることであって、自分が意識して演出出来ないものです。薄っぺらな表層はすぐに見破られ、剥がされてしまいますから。

それにしても、昨夜の室伏選手の立ち居振る舞いは一種の様式美さえ感じさせてくれたし、ホントすごいな。おめでとう、そしてありがとうと心から言いたいですね。



○Sha-gaku vol.3

8月20日(土)~9月18日(日)

13:00-19:00 月曜日休み

http://kalos-gallery.com/exhibition/next_exhibition.html

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