2009年6月29日月曜日

蜷川実花さん


先日蜷川幸雄さんの話に触れたので、娘さんのことも話しておかないと不公平ですよね。
彼には確か2人の娘さんがいるのですが、写真ギャラリーをしていますので、長女で写真家の蜷川実花さんについてです。

蜷川実花さんと言えば、2000年度の木村伊兵衛賞をHIROMIX、長島有里恵さんと同時受賞し、”ガーリー・フォト”の代表としての印象が強いですよね。実際、1996年に写真新世紀、ひとつぼ展で同時受賞もしていますし、その後のマスメディアの対応もそうでしたから、世間の方もその形容で捉えていたと思います。

2008年東京オペラシティーで開かれた回顧展”蜷川実花展-地上の花、天井の色-“では、”ガーリー・フォト”から進化した姿を、テーマごとの作品を通して感じることが出来ました。

蜷川さんと言えば、強烈な色彩で彩られたものをイメージしますし、確かに直感的に蜷川実花、あるいは蜷川実花風と分かってしまいます。2007年六本木アクシス・ギャラリーで開かれた”ゼラチンシルバーセッション展”での、藤井保さんと同一ネガでプリントした作品を見たときも、その印象は拭えませんでした。

しかしながら、そう言う手法や技術は蜷川さん自身の個性として強く観客に訴えかけるものであり、決してマイナス要素にはならないと思いますし、なにより彼女自身のエネルギーを直に感じます。

1998年に出版された初めての写真集”17 9 ’97―Seventeenth September ninety‐seven”では対象がセルフヌードであったり、自分の身近な環境のものだったのですが、2000年以降の作品にはほとんどその傾向は見られません。その辺りも作家としての彼女の強さではないかと思ったりします。

”蜷川実花展”は、2009年4月の岩手県立美術館から始まって、2010年3月まで全国4ヶ所で巡回展が開かれます。是非とも、蜷川さんのパワーを全身で浴びてほしいと思います。

個人的には、初写真集の蜷川さんの不安げなセルフ・ポートレートも好きです。

ギャラリーにお越しの際、お声を掛けて頂けばいつでもお見せ出来ます。

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