2009年11月29日日曜日

「Nearness Of You : The Ballad Book」

部屋でよく聞いているアルバムです.


「Nearness Of You : The Ballad Book」 マイケル・ブレッカー 2001年


マイケル・ブレッカーと言えば、圧倒的なテクニックとパワフルな演奏スタイルで有名なテナーサックス奏者ですが、その彼があえてバラードに挑戦したアルバムです。その為、ファンの間では賛否両論があるようですが、僕は他のミュージシャンのスタジオワーク(1人の演奏者として)での演奏を聴いた時に感じていた優しさや柔らかさが表現されているのでとても好きです。

マイケル・ブレッカーは、2007年、57歳という若さで亡くなっています。ジョン・コルトレーン以降、その演奏スタイルで多くのミュージシャンに影響を与えたとも言われているマイケルは、ジャズファンのみならず、さまざまなジャンルの方々から死を悼まれたことはまだ記憶に新しいことです。

このアルバムは、ジョン・コルトレーンのバラッドを意識していると言われているように、非常に解りやすいフレージングを用いて、一音一音をとても大事にして吹いているのが分かります。メンバーも豪華すぎるほどなのですが、個々の個性が出しゃばることなく、良い意味で見守っているような様子が浮かんできます。当時も体調的に激しくブローすることが困難であったという話もあり、メンバーもそんなマイケルを気遣っていたのかもしれません。

確かにこれまで発表してきたアルバムとは異質で、今まさにやりたいことをやる的な演奏とは真逆ですが、なぜか心が捉われます。いわゆるヒーリング・ミュージックと称されるものとは明らかに違う表現者としての一面が、このアルバムにはあると思うのです。

タイトルの「Nearness Of You」はスタンダードですので、いろいろな方が歌っています。

このアルバムではジェームス・テイラーでしたが、こちらはノラ・ジョーンズのものです。

 http://www.youtube.com/watch?v=2eIH-7qq-WA
 
 

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