もう一年以上、生の芝居を見ていません。撮りためていたDVDを取り出してたまに見ることはありますが、やはり生じゃないという気持ちは今でもあります。右下の演劇情報に古澤君が出演するポツドール公演を載せています。
本日が初日のようです。彼ともしばらく連絡を取っていなかったので、どうしているかと思っていたのですが、まだ役者を続けていたようで、少し安心しました。劇場は下北沢のスズナリですから、いつものような濃密な芝居になるのかと思います。あぁ、観に行きたい・・・。
そう思っていた折、昨日演出家の蜷川幸雄さんがテレビ出演している姿を偶然見ました。相変わらずの元気な様子と精力的な活動は、本人曰く回遊魚のように常に泳いでいないとダメと話していたように、まさにその言葉が当てはまる程の芝居に対する意欲を感じさせます。それでも、若い頃の切羽詰まったようで、ピリピリとした印象はすっかり影を潜め、これまた本人曰く謙虚になってきたとの言葉通り、穏やかな表情、言葉使いが印象的でした。
彼が創立したニナガワ・スタジオのメンバーである大石継太さんのインタビュー記事にこんなことが書いてあります。
蜷川の元で何を学びましたか?と聞くと、そう簡単には答えられないと間を置いてから「……芝居に対する清潔感? 真摯に取り組むというか…かなあ」とボソッと答えた。
物事に真摯に取り組むというのは、特に表現の世界だけではなく、一般の仕事においてもそうあるべきだと思います。しかしながら、確かな生産物といった世の中に役立つモノを生むわけではないアートの世界において、それをとことん追求するのは非常に難しいことです。無形のモノを人々の頭や心に残し、伝え、何かしら有益だと思わせるモノじゃなくちゃいけないのですから。
そんな風に感じてくると、意識は制作や作品そのものより、見る側に気持ちがいってしまい、いろいろと余分なものが増えてきて、結果曖昧であったりぼけてしまったりするものです。それに対するものが、芝居に対する清潔感という言葉になっているように思います。
もともと何もないところから何物かを生みだすことが表現であり、一般でいう生産でもあるわけで、それぞれの根底にあるものはあまり変わらないはずで、とてもピュアなものだから、これってすごく大事なことのように思えるのです。
○Sha-gaku vol.3
8月20日(土)~9月18日(日)
13:00-19:00 月曜日休み
http://kalos-gallery.com/exhibition/current_exhibition.html
Sha-gaku vol.3 Ending Party "reunion"
9月18日(日) 17:30-20:00(多分延長します)
カロス・ギャラリー
陽を待つふきのとう
5 日前
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