今日は3人目の紹介になります。昨年7月から8月にかけて個展を開催した仙台在住の木戸孝子さんです。個展のタイトルである”The Ordinary Unseen”は一貫して彼女の追い続けているテーマのひとつです。直訳すると見えざる日常と言えるかと思いますが、日常に隠れたもうひとつの美しい日常を写真表現として発表し続けています。
経歴を見ていただければ想像はつきますが、卓越した技術で制作されたゼラチン・シルバー・プリントと対象に真正面から対峙し、それらを切り取る能力には目を瞠るばかりです。もちろん作品だけを見ればそのような印象を強く持つわけだけど、写真に取り組む姿勢や普段の人柄に接している僕にはそのような技術だけではない、もっとそれ以上の大きな世界へと繋がる美しさを感じるのです。
ニューヨークから帰り、仙台の地に住むようになってからは、プリント環境が整っていない為、自身によるゼラチン・シルバー・プリント作品の制作は残念ながらしていませんが、現在はそれらとはまた違った価値観を持つ作品制作をしようと考え、インクジェット・プリントを行っています。
Scene-1では、個展で発表したゼラチン・シルバー・プリント作品の中から再構成したものと、それらのインクジェット・プリント作品が並ぶ予定です。Scene-2においては、展示変えを行い、インクジェット・プリント作品を中心に、主に帰国後に撮影を行った同テーマの新作が並ぶ予定です。
いずれにせよ、再度木戸さんの作品を、新たな制作を交えながら紹介出来ることは、僕にとってもとても楽しみであり、同時に有り難いことだと感じています。おそらくは、この仙台で見ることが出来る数少ない世界レベルのゼラチン・シルバー・プリント作品(インクジェット・プリントも同様に必見ですが)と言えるし、他のプロジェクトも含め、今もなお作品制作を継続して行っている数少ない写真家のひとりであるからです。
作品紹介はこちら
http://kalos-gallery.com/shop/takako_kido.html
○Gallery Selection 2011
Scene-1 2011年12月3日(土)- 12月25日(日)
13:00-19:00(25日は17:00まで)、月曜日休み
Scene-2 2011年12月27日(火)- 2012年1月22日(日)
13:00-19:00、月曜日、12/31-1/4 休み
入場料 ¥300 期間中何度でも入場出来るパスポート制です。
http://kalos-gallery.com/exhibition/next_exhibition.html
陽を待つふきのとう
2 日前
0 件のコメント:
コメントを投稿