「ディア・ドクター」
昨夜遅くからついつい観てしまった映画です。始めは寝る前に少しだけと思って手にしたのですが、逆に眼が冴えてしまい、最後まで飽きることなく観てしまいました。
今でも笑福亭鶴瓶演じる主人公の中年医師(もどき)の笑顔や困惑の表情が頭に現れてきます。どうして?と考えると、淡々として描かれる日常の営みに、嫌になる程のリアルさを感じてしまったからなのですね。たぶんそれは、こんなこと無いよなからこんなこともあるよねと思わせてくれるような作品だったということです。
監督は西川美和、30代とは思えない程の卓越した心理描写により、登場人物の心の揺れを描き出します。前作の「ゆれる」の時もそうでしたが、この人にかかったら、全て裸にされてしまうような怖ささえ感じてしまうのです。もちろん、それは映画での話で、実際の生活がそうであるかは分かりません。
映画そのものはとても地味なものなのだけど、見る側を決して飽きさせることはありません。そこには違った意味でのエンタテイメント性を感じます。見る側に意識させない程のとても緻密で入念な構成で持って進められている、その力量に驚きさえ覚えます。
よくある感性や雰囲気や思いつきだけはない、とても考えられた作品だと言えます。
うーん、次回が楽しみになります。
と同時にもっと考えろと言われているようでもありました。
まったくもって・・・。
○福島隆嗣写真展 「恐ろしいことを考え続けるための都市実践」
2011年10月30日(日)~2011年11月20日(日)
13:00~19:00、月曜日休み、入場料 ¥300
期間中何度でも入場出来るパスポート制です。
http://kalos-gallery.com/exhibition/current_exhibition.html
陽を待つふきのとう
3 日前
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