
昨日テレビはあまり見ないと書きましたが、よく見る番組に2006年1月から放映が始まったNHK"プロフェッショナル 仕事の流儀"があります、この番組はさまざまな分野の第一線で活躍する人々を取り上げ、実際の仕事現場を取材し深く掘り下げ、プロの仕事とは、またそれに関わるその人自身の人となりを紹介しています。
以前に"プロジェクトX"という番組がありましたが、主に過去の実績を紹介していました。これに対して、”プロフェッショナル 仕事の流儀”は現在進行形の事業や仕事について紹介しています。
ここに紹介される人々に共通して言えることは、どんな小さな希望でも決してあきらめないという信念があること、そして最も重要なのは物事に対してとても謙虚であることということです。人は得てしてその道のプロと自他ともに認められると、我が強くなりがちですが、一流から超一流に飛び越えるとその我は消えてしまうようですね。
2007年12月に紹介された木村秋則さんもその中の一人です。かなり有名になってしまいましたので、あえて詳細は書きませんが、木村さんは”自然栽培”でりんごの生産を行っている青森の農家の方です。
僕はこの番組を見るまでは、りんごの栽培にこれほどの農薬が使用されていたとは思ってもいませんでした。そして、”自然栽培”でりんごを育てることがこれほどまでに無謀なことということも知りませんでした。
木村さんはその栽培に成功するまで、約10年の年月を費やしたと言います。その間は無収穫の時もあり、生活苦は想像するに極限まで行っていたと思われます。実際、木村さん自身死まで考え、ロープ片手に山に入った話があるほどです。
今、僕は木村さんの著書である"リンゴが教えてくれたこと"を半分程度読んだところです。2008年7月に"奇跡のリンゴ―「絶対不可能」を覆した農家・木村秋則の記録"が、ノンフィクションライター石川 拓治さんによりまとめられ刊行されましたが、今回は木村さん本人が書かれています。
僕自身、28年間ものづくりの現場に携わってきましたので、その行動や苦労はとても理解出来ます。もちろん木村さんほどの苦労はしませんでしたが、それでも一つのものを作ることは並大抵のことではないことは充分解っています。
中国の故事に「一念岩をも通す」というのがありますが、木村さんはまさにそれを自ら体現した人ですね。読み進むほどに、自分自身恥ずかしく思う事や力づけられる部分があります。
PS "1Q84"は、この後でゆっくりと読みます。感想はまた。
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