何人かのお客さんから、これだけ見せられるとお腹が一杯になりますねとの言葉を貰いました。実際写真を見てお腹を満たすことはありませんし、ひとつひとつの展示や作品を味わってもらえるだけの何かが無ければそんな言葉は出てこないと思っています。大げさに言ってしまえば、いろいろな写真表現の中でのそれぞれのメインディッシュが並んでいる感じなのかもしれません。
だから、前菜やスープから始まるコース料理の趣とはまるで違っています。順番や調和、様式のようなものは一切ありませんし、ましてやアラカルトでもないので、目の前に出されたものを味わうしかありません。でも、それを美味しいと感じるか、或いはもう手も付けたくないと目をそむけられてしまうかはお客さんに委ねられます。
この辺りは、グループで行う場合の悩ましさであり、楽しい部分でもあります。そして、大事なのは参加者個々がそのことを充分に理解していることです。これは他の参加するメンバーの作風や表現を損なわないとか合わせるといった事ではありません。そんなことを一切考えずに、自分の表現を壁一杯に躍動させてくれれば良いと思っています。
でもね、そうすることって、おそらくは、不安や恐怖に似た感情に駆られるのですね。勝てない喧嘩は始めからしないと言われるように、誰しも結果を考えてから事に当たる方が多いですから。
コンテストや賞も無いSha-gakuは、そんな言葉とはまるで関係の無い、勝負事とは無縁のものです。強いて言えば、結果は自分の中にあり、勝ち負けも自分が自分に対して向けられ、評価出来得るものなのです。
お腹が一杯になる、その言葉は最大級の褒め言葉だと僕は思います。
写真を味わいたいと感じられたなら、いつでも来て下さい。
8人のシェフが腕によりをかけた料理を準備していますので。
○Sha-gaku vol.3
8月20日(土)~9月18日(日)
13:00-19:00 月曜日休み
http://kalos-gallery.com/exhibition/next_exhibition.html
月夜の松
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