「ありがとう。」
被災以来よく耳にするようになりました。見も知らない人たちと身を寄せ、暖を取りながら、互いに物を分け合い、誰もが自分ひとりでいるわけではないことを感じた時に自然に言葉として出てきます。
普段は、あまりに身近にある家族に対しては、何か照れくさく、目を見てなんて言えないけれど、ぼつりと素直に言葉になります。当たり前と思えたことが当たり前ではなかったことを改めて実感した今、不思議なことにいつもより人を想う気持ちが強くなったように思えます。
人の真意はその表情だけでは見えにくいものです。それは、ビジネスの場において、顕著に表れます。言いたくもない、実体の無い「ありがとう」も時には必要です。でも、今の状況での「ありがとう」は、そうではありません。
皆、心から素直に発せられるもので、言われた人の心に実を持って伝わってきます。そんな場面に出会うたびに、あっ、これからやっていけるよねと思えてしまいます。先のことは分からないけど、何か理由の無い確信のようなものを感じます。
これってすごく楽天的だと思われるかもしれないけど、実は一番大切な根っこの部分だと思うわけで、それ無しでは何も前に進まないんじゃないかなと。だって、互いに思いやる気持ちがないと出てこない言葉ですからね。
今日もいつもより多い「ありがとう」が、さまざまな場所で交わされることでしょう。
これもひとつの拠り所になります。
さて、今日も頑張っていきましょう。
谷に眠る
6 時間前
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