
一口に”色”と言っても、とらえ方は人それぞれです。色はその彩度や明度が重なり合うことで無限に拡がります。また、撮る側の視点や発想によって、一つとして同じ色がイメージ出来ないのも難しい所ですね。
画家であるゴッホは、自分は見えるものしか描くことが出来ないと話していたと言います。つまり、そこに描かれている色彩もゴッホの眼に映ったものであるという事です。肖像画に描かれた背景のブルーであるとか、ゴッホには実際そう見えていたものを、他人も同じように感じるかというとそうではないのです。
又、このようなテーマのある写真展は、ある意味商業写真での制作と似ているように思えます。企画を立てる人、構成を考える人、実際に写真として撮る人、セレクションする人などいろいろな人との関わりから、きちんとしたイメージを作っていきます。それは個人の表現というより、むしろ共同作業として成立します。だから、他者の意見をちゃんとくみ取り、それでいて自分ともしっかり向き合っていくことが必要となってくるのです。
プロの作家の条件のひとつとして、技術やセンスだけではなく、相手を受け入れる懐の広さ、人柄の良さがあると、僕は思っています。また、若い時期に良くある感性の押しつけのような作品を個人的にはあまり好みません。そういう意味では、個々の優しさが感じられたとても良い写真展だったと思います。
フリーの作品もありますので、また違った個性が観られます。
残念ながら、本日12日が最終日です。
お近くの方は、若い感性で”色”という非常に難しい命題に取り組んだ作品をぜひご覧になって下さい。
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