今回の写真展で流れているBGMは、これっとひとつに決めていません。その日や週により変えています。それじゃあ、作品とマッチングしないのではと思われますが、その辺りは気にしながら選んでいます。
そもそもこういった展示会でBGMなるものは必要なのかということがあります。僕自身基本的にはいらないと思っています。但し、よりよく作品世界や作品性を理解してもらう為のファクターのひとつとして考えるべきだとは思っています。過度に演出する必要もないし、見る人の邪魔になるようなものであってはいけないものです。
よく音の中で、1/fの波長は人に対して癒しや安らぎの効果があると言われています。お店なんかで良く聞くものの中には、それを意識しているだけのものが流れていることがあります。店の雰囲気や商品イメージを効果的に感じさせる事が主な目的ですね。
写真展のような作品一点一点や全体としての世界観を表現しているものは、その見せ方で決まるものであるべきだし、その他の効果を取らずに行われるのが本筋なのだと思います。しかしながら、表現しているものを直に見る人に伝えることは、非常に難しいものです。
自分が考え、思うこと、そしてそれが具体的な形となった作品は、多くの人にその思いなりが伝わるものだと思われがちです。実際は、そうではありません。タイトルから受ける印象、作品ひとつひとつの違い、そして全体の構成から受ける感覚は、人それぞれで、感じるまま思うがままであるはずです。
その為に作家や僕のような者は、より理解してもらえるような工夫をするわけです。そこには押し付けのような過剰な説明があってはいけませんし、作家の意図とは異なった印象を与えるものは必要ありません。僕はその検討や作業を、さりげない心遣いのようなものだと思っています。
さて、今週は何を流そうか。
陽を待つふきのとう
5 日前
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