僕の部屋には、今年で11歳になったオス猫が一匹います。そうです、プロフィールに正面切って載っているヤツです。11年前に当時住んでいた多摩川沿いのマンションの前に、生後間もない状態で捨てられていました。捨てられていた時は、ハムスターと見間違えるほど小さく、片目がまだ開いていない状態でした。病院に連れて行くと、もしかしたら片目しか開かないかもしれないと言われましたが、今では両目もくっきりし、たるんだお腹を引きずらせています。
ヤツの名前はポルカと言います。家ネコなので、ほとんど外部との接触はありません。いつも寝ているか、食べているかのどちらかです。名前を呼んでもたいていは自分では無いようにそっぽを向いています。又、極端に人見知りなので、たまの来客の時はほとんど隠れてしまい、全く可愛げがありません。多分、自分自身ネコとは思っていないようです。
今回東京から仙台に移る際、もっとも困ったのはヤツの移動でした。以前、多摩川から都内に引越しした際に、その朝キャリアに入れるのに、両腕を血だらけにされた記憶があったからです。しかも、前回は半日ほどペットホテルに保管してもらっただけでしたが、今回は約300kmの旅になるのですから。
専門のペット搬送業者に頼んだのですが、やはりキャリアには入れなければいけないとのこと。朝8時の引取りで当日夕方6時の引渡しで、なんと飛行機での移動でした。しかも、仙台-東京の便が無いので、羽田から飛び立ち、小松で乗り継ぎ、さらに仙台に飛んだ後、車で部屋まで移動というヤツにとっては生涯経験したことも無い壮大な旅になったのです。
引越しの当日、完全防備で格闘の末どうにかキャリアに入れ業者へ引き渡し、夕方時間より少し早めにポルカは部屋へ運ばれてきました。運んできた女性に、途中、中でオシッコをした以外は特に変わった事は無かったと言われ、ほっとしながらキャリアの扉を開けましたが、なかなか表に出ようとはしませんでした。
30分程たったところで、ポルカはのそのそとあたりを確かめるようにキャリアから出てきました。その日は長旅の疲れもあり、僕には一切近寄らず、押入れの隅でじっと寝ていたようです。それから数週間は、あらゆる個所の確認を行い、安全を確かめ、ご飯を食べるとベッドに潜り込む日々が続き、今ではすっかり元から居る場所のように、くつろいでいます。
引越してきてたった一つ変わったことがあります。
それは、朝5時には僕を起こすことです。
理由は分かりませんが、その為、僕はいつも少々寝不足気味の毎日を送っているのです。
陽を待つふきのとう
3 日前
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